その人は言った。
「君が4児の母で、子供たちへの愛情があるからまだ救われる。」と
「それがなかったら薄っぺらな人間だね。」
それまで
「4児の母に見えませんね」 と言われ褒め言葉として受け止めていた。
だが、その人は初めから私を4児の母として見てくれた。
その人は言った。
「君の周りには裕子さんって何でも出来て凄いね~、なんて褒めてくれる人が
いっぱいいるんだろうけど、いつまでそこに安住してるわけ?」
「居心地のいい所にいて、どうやって成長するの?」と。
その人は言った。
「セミナーとか、ワークショップとか 講演会とか、お金を払って人の話を聴いて
どれだけ身になるの?」
「俺と一緒にいる方がよほど成長するのに」と。
その人は言った。
「君は内容もないくせに、私はこんなに頑張っているの~ってアピールしていて呆れるよ」
その人は、会った事もない私の4人の子供達について、
性格や、彼らの悩みまで言い当てた。
何故わかってしまうのか質問した。
するとその人は答えた。
「ただ君を感じているだけ。」
はっ?驚いている私に
「普通ですけど。何か問題でも?」と、無表情で問いかけてきた。
子供の話をすると
「子供達をいっぱい愛してごらん?俺が君を愛するように・・」
そして言った。
「子供達が問題なんじゃない。君が変われば子供達は放っておいても変わるさ」
「まず君が満たされること。
俺が君を包み込むように、君も自分を包み込むように愛してご覧!」
また、こんなことまで言った。
「亡き主人なんて言葉を使って、悲劇のヒロインぶってるところが幼稚なんだよね」
「位牌と共に生きれば?」
これまでの人生をけちょんけちょんに否定された。
きついジャッジを下され、ダメ出しの連続・・・
なのに凹まない、落ち込まない、
根底に愛を感じたから。
本気で私に向き合ってくれたから。
「君の3年後が楽しみだなぁ。素敵な女性になるんだろうなぁ~」
しみじみと、そう言った。
「新しい年、新しい私で出発したい」と言うと
カメラを向けてくれた。
元旦のフェイスブックでプロフィール写真を変えると、
200人近くの「いいね」を頂いた。
人は失恋をすると髪を切ると言うけれど、
私は新しい人と寄り添う為に髪を切った。
似合う似合わないは関係ない。
過去を断捨離したかった。
髪を切り落とすことで、私の気持ちを表明したつもりだったが、
その人は言った。
「それって独りよがりな愛し方だよね」
またダメ出しされた。
でも傷つかない。
確かにこれまで、私の周りの人たちはノージャッジ。
だが「裕子さんは十分頑張っているよ」と言われても、腑に落ちなかった。
「まだまだこんなもんじゃない!」と思っていたから。
「今のままの君でいいんだよ」と言われても納得出来なかった。
「このままの自分で終わりたくない」と思っていたから。
だから、言って欲しかったんだと思う。
「そのままの自分で終わっていいの?」と問いかけられて、
その人に付いて行きたいと思った。
「年下のあなたに人生を教わるなんてね・・・」と言うと
「肉体の年齢なんて関係ないから。魂レベルが違うんだよ」と答えた。
「私たちはどうして出会ったんだろう?」と 尋ねると
「ビルドアップ、互の魂と、ご先祖さん達が動いたんだろうね」 と、
間髪入れず答えた。
年賀状には、「一緒に成長していこうね」と書かれてあった。