2011年11月1日火曜日

No1・青少年主張大会














また、この季節がやって来ました。

この主張大会で、審査の時間にゲストとして歌わせて頂いてます。

今年で3回目になります。

こんな、健全な場所に毎年お招き頂けるのは、

本当に有難い事です。

青少年達の純粋な思いに恥じないように

私も私なりに、中高年ならではの主張を歌で表現しているつもりです。
2年前のこの日・・・

主人の容態が急変し、明け方に救急車で国際医療センターに運ばれました。

午前中の川越でのステージをキャンセルし、病院で付き添っていましたが、

午後の『青少年の主張大会』は、ぎりぎりまで出演を迷っていました。

集中治療室で、意識の無い主人の手を握りしめながら

自分に出来る事は何なのか・・・・

祈っていました。

別室に呼ばれ、数人の医師達に囲まれ、絶望的な話を聞かされました。

今後、どのようなパターンで死んでいくか

その亡くなり方のケースを説明されました。

治る話は一切ありませんでした。

たった一人でそんな話を聞かされて、意識を失いそうになりました。

そして、私は医師達に言いました。

“その続きは後で聴きます。今から歌いに行かせて下さい!”と・・・

医師でも、看護師でもない私が、そこで不安をかかえたまま

いったい何が出来るのか?

弱り果てた主人の顔を、傍でじっと見ていても何も変わらない・・

“そうだ!こんな状況の中にあっても、精一杯歌って来よう!”

観客席に思いを届けようと

こんな時だからこそ、伝えられる事があるかも知れない。

私が頑張る事で、もしかしたら主人に奇跡が起こるかも知れない

ここでじっとしているより、やれることをやってみよう!

そう決心して、私は会場に向かいました。

出番ぎりぎりに到着したので、スタッフはかなり焦っていたようです。

余計な心配はかけたくなかったので、

私の状況は誰にも一切伝えませんでした。

とても明るい歌詞の歌を3曲歌いました。

“二人のアルバムにあなたが加わって、新しい家族の物語が今始まる”

という歌詞。

長女が生まれた時の喜びの歌です。

今、生きるか死ぬかの瀬戸際にある主人に届け!とばかり

祈りを込めて歌い切りました。

幕が下りて、スタッフへの挨拶も無しに、すぐさま病院に戻りました。

集中治療室に駆け込んで、主人に報告しました。

“お父さん、頑張って歌って来たよ!”

すると、意識の薄れていた主人がゆっくりと言いました。

“それは良かった。頑張ったねぇ”

私の目をしっかり見つめて、嬉しそうな顔をしていました。

“有り難う、有り難う・・”

精神的にぎりぎりの状態での、しかし深い会話。

その日から17日後、主人は息を引き取りました。

翌年の同じ日、私は同じように、同じステージで、同じ歌を歌いました。

歌の合間に一年前の状況を報告しました。

“実は、一年前の今日この日は・・・”と

私なりに、生きていくことの意義深さを伝えました。

青少年達の主張大会の場で私も主張させて頂きました。

泣いて聴いて下さった方もいらっしゃいました。

帰宅後、主人の遺影に向かって一年前と同じように報告しました。

“頑張って歌って来たよ”

実は主人にお供えしてあった菊の花を持ってステージに立ちました。

一番近くで私の歌を聴いて欲しくて

その花を、グランドピアノの上に置いて弾き語りをしました。

会場に来て下さった友人が言いました。

“あの黄色い花がとても輝いて見えたよ”と。

あの日から一年。

今年は『ありがとう、おめでとう』というオリジナル曲を歌うつもりです。

“喜びも、悲しみも、与えられるものならば、

   心いっぱい受け止めて、次の自分に活かそう!”

という歌詞があります。

“目覚めたら太陽に両手合わせ、ありがとうを言おう

   生きている命の奇跡、おめでとう美しき人生”

最後はこんな歌詞で終わります。

去年の秋に作りかけたままでしたが、3月の震災があって

押し出されるようにして完成させました。

心込めて、歌いたいと思います。

お時間のある方はお越しくださいませ。

私の出番は3時半からですが、

是非、青少年達の主張にも耳を傾けてあげて下さい。

お待ちしてます。